火を熾す。
神を迎える。
豊作を祝う。

平安時代の書物「北山抄」や「亀相記」には、火をおこす道具を献上していた記述、大嘗祭に往馬大社の上溝桜を奉納していた記述がみられ当時から往馬大社と火が強い関わりを持っていたことが伺えます。鎌倉時代の「生駒曼荼羅」を見ても火祭りに使われる建物が現在と同じような形で描かれており、鎌倉時代には今と変わらぬような火祭りが執り行われていたと考えられます。往馬大社が古来より火の神さまとして崇敬を集めていたことが分かります。このような歴史のもとで往馬大社の火祭りがはじまり、現在は奈良県の無形民俗文化財に指定されています。

神さまは我々の住む里へ

火祭りの行事は神輿渡御から始まります。古来生駒の人々にとって、自然の象徴である生駒山に鎮まられる神さまが神輿に乗って里に降りて来られる様子を色鮮やかにそして雅やかに表現したのが神輿渡御です。高張提灯を先頭に連なる行列は、中世生駒谷十七郷のお祭りの様子を色濃く残しています。一年ぶりに神さまを本殿から我々の住む里にお迎えし御旅所での祭祀が始まります。御供上げ、大松明などの行事は秋の豊作を祝い、感謝します。

神の火から人の火へ

往馬大社の男女一対二柱の神さまは、火をおこす二つの道具、火燧杵と火燧臼に宿る神さまとも考えられます。神さまによっておこされた神聖な神の火は、火祭りの「核」とも言えるクライマックス、火取り行事で神の火から人の火へと変わります。受け取った火取りはいち早く石段を駆け降り境内を走り抜けます。

往馬大社火祭り

宵宮祭

令和6年 10月12日

火祭り

令和6年 10月13日

火祭りの見どころ

火きり木神事

火祭りの1週間前に古儀に倣い、火きり木で火をおこします。きりおこされた神聖な火は、絶やすことなく当日まで守られます。また、これより神職と所役は朝夕に禊を行い身を清めます。

宵宮火・祈願木焚上

御旅所中央に大松明を立てた祭壇が設けられ、祈願木と共に焚き上げます。脇火は祓戸社で火をつけた松明を祭壇に点火した後、宵宮火を高座前階段に立て掛けます。

宮太鼓奉納

管弦楽座において往馬大社太鼓連「鳴神」の勇壮な宮太鼓の演奏が奉納されます。午後9時に締太鼓が鳴らされ、宵宮は終了します。

神輿渡御

古来より自然の象徴である生駒山に鎮まられる神さまが、神輿に乗って里に降りて来られる様子を色鮮やかに表現したのが神輿渡御です。1年ぶりに神様を本殿から我々の住む里にお迎えします。

御供上げ

所役は御旅所で南北に分かれて向かい合い、神輿に「ひの御供」を始めとする神饌を供えます。神輿蔵から高座まで、神輿に御供を供える早さを南北で競い豊作を感謝します。

大松明

南北それぞれ大松明を立て、その上に4本の御串を突き立てて南北でその早さを競います。別名「おはな立て」とも称し、乾燥したすすきの穂は豊かに実った秋の稲穂を表しています。

神楽

管弦楽座の笛太鼓の演奏に合わせて、巫女が御旅所で浪速神楽を奉納します。

弁随舞

南北それぞれの装束をつけた弁随による弁随舞は、火祭りを代表する伝統的な民俗行事として知られています。本来は、舞楽のように狭い範囲で整列して舞う厳粛な舞であったと言われています。

火取り

松明を渡された火取りは高座前7段の階段を駆け下りて御旅所を駆け抜け、南北それぞれの4本の御串にも火を移して走り去ります。このときに7段の階段を南北どちらが早く駆け下りたかを競います。

タイムスケジュール

宵宮祭

神楽奉納15:00~20:00拝殿
宵宮祭17:00拝殿
子ども神輿行事17:00えびす社前から
宵宮火・祈願木焚上18:00祓戸社・御旅所
宮太鼓奉納20:00~21:00管弦楽座

火祭り

例祭10:00拝殿
神楽奉納12:00~14:00拝殿
人形子ども神輿13:00えびす社前から
社務所出立14:00社務所
神輿渡御祭14:30拝殿
神輿渡御15:00拝殿から御旅所へ
御供上げ15:30ごろ御旅所
大松明15:40ごろ御旅所
神楽15:45ごろ御旅所
弁随舞15:55ごろ御旅所
火取り16:00ごろ御旅所

火祭りアクセス

通行止めが実施されますので、車での参拝はご遠慮ください。

〒630-0222 奈良県生駒市壱分町1527-1

tel:0743-77-8001(8:00〜16:30)

近鉄生駒線 一分駅より徒歩7分

生駒駅南口バス 中菜畑2丁目行
中菜畑2丁目駅より徒歩約5分

生駒駅南口タクシー 約6分(1000円弱)

通行止めのお知らせ

宵宮  14:00~23:00

火祭り 10:00~18:00

*神社周辺に大型のコインパーキングはございません。

*最寄りの大型コインパーキングは生駒駅周辺にございます。

*迷惑となりますので周辺のスーパーやコンビニ等に駐車しないでください。

火祭り保存会 入会のご案内

平成14年に火祭りを後世に守り伝える為、火祭り保存会が発足いたしました。 平成14年9月には「往馬大社の火取り」が生駒市第一号の無形民俗文化財に指定され、 更には平成23年3月に「生駒の火祭り」が奈良県の無形民俗文化財にも指定されました。 古儀の復興や行事の発展を目指し、ますます行事が盛大に執り行えるよう新規会員さまを募集しております。

年会費と撤下品

会員種別会費撤下品
賛助会員3,000円行事案内・火祭り神符
正会員5,000円行事案内・火祭り神符・火祭り餅
特別会員10,000円〜行事案内・火祭り神符・箱入り火祭り餅

火祭り神符

火祭りに縁のある麻を御内符にして奉製いたしました。

火祭り餅

火取り行事の焼印を押した火祭り限定の和菓子です。